Windows 11の新機能「Recall(リコール)」で、過去の作業履歴(スナップショット)が表示されずにお困りではありませんか?せっかくの便利な機能が使えないと、とても不便ですよね。
ご安心ください。この記事を読めば、Recallのスナップショットが表示されない原因と、誰でも簡単に試せる解決策がわかります。
主な原因は、お使いのパソコンがRecallのシステム要件を満たしていないか、Recall機能自体が有効になっていない可能性が高いです。一つずつ確認していきましょう。
原因1:お使いのパソコンが「Copilot+ PC」ではない
Recallは、どのパソコンでも利用できるわけではありません。AI処理に特化した「Copilot+ PC」と呼ばれる新しい規格のパソコンでのみ利用できる特別な機能です。
原因の解説
Copilot+ PCには、AIの計算を高速で行うための専門のプロセッサー「NPU (ニューラル・プロセッシング・ユニット)」が搭載されています。 Recallは、このNPUの強力な処理能力を利用して、パソコン上の操作を記録・分析しているため、NPUが搭載されていない従来のパソコンでは動作しません。
具体的な解決手順
お使いのパソコンがCopilot+ PCかどうかは、PCメーカーの製品仕様ページやカタログで確認できます。2024年6月以降に発売された主要メーカーの新しいモデルの多くがCopilot+ PCに該当します。
【Copilot+ PCの主な要件】
- NPU: 40TOPS以上の性能を持つNPU
- メモリ: 16GB以上
- ストレージ: 256GB以上のSSD
残念ながら、お使いのパソコンがこれらの要件を満たしていない場合、Recall機能を利用することはできません。
原因2:Recall機能が有効になっていない
Copilot+ PCを利用していても、Recall機能は初期設定でオフになっている場合があります。プライバシー保護の観点から、利用者が自分で機能を有効にすること(オプトイン)が必要なためです。
原因の解説
Recallは、数秒ごとに画面のスナップショットを自動で保存する機能です。 そのため、利用を開始するには、ユーザー自身の明確な意思表示が必要となります。
具体的な解決手順
以下の手順で、Recall機能が有効になっているか確認し、無効であれば有効にしてください。
- 設定を開く: スタートメニューから「設定」アプリを開きます。
- プライバシーとセキュリティへ移動: 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
- Recallとスナップショットを開く: 「Recallとスナップショット」をクリックします。
- 機能を有効にする: 「スナップショットの保存」のスイッチが「オフ」になっていたら、「オン」に切り替えます。
- 本人確認: Windows Hello(顔認証や指紋認証)による本人確認が求められる場合があります。 画面の指示に従って認証を完了してください。
原因3:ストレージの空き容量が不足している
Recallは、スナップショットをパソコン本体のストレージに保存します。そのため、十分な空き容量がないと新しいスナップショットを保存できなくなります。
原因の解説
Recallを有効にするには最低でも50GBの空き容量が必要で、有効になった後も常に25GB以上の空き容量がないと動作が停止する場合があります。
具体的な解決手順
以下の手順でストレージの空き容量を確認し、必要であれば不要なファイルを削除してください。
- 設定を開く: スタートメニューから「設定」アプリを開きます。
- システムへ移動: 左側のメニューから「システム」を選択します。
- ストレージを確認: 「ストレージ」をクリックして、Cドライブの空き容量を確認します。
- 空き容量を増やす: 「クリーンアップの候補」などを参考に、不要なファイルやアプリを削除して空き容量を確保してください。
- Recallの割り当て容量を確認: 「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「Recallとスナップショット」>「ストレージ」から、Recallが使用できる最大容量を変更することも可能です。
原因4:Windowsが最新の状態ではない
Recallは比較的新しい機能のため、正常に動作するにはWindows Updateを適用し、OSを最新の状態に保つことが重要です。
原因の解説
古いバージョンのWindows 11では、Recall機能が含まれていなかったり、不具合があったりする可能性があります。 機能の改善や問題の修正は、Windows Updateを通じて提供されます。
具体的な解決手順
以下の手順で、Windowsが最新の状態になっているか確認し、更新プログラムがあれば適用してください。
- 設定を開く: スタートメニューから「設定」アプリを開きます。
- Windows Updateへ移動: 左側のメニューから「Windows Update」を選択します。
- 更新プログラムの確認: 「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。
- インストールと再起動: 利用可能な更新プログラムがあれば、ダウンロードしてインストールし、画面の指示に従ってパソコンを再起動します。
それでも解決しない場合に試すこと
上記の基本的な対策で問題が解決しない場合は、以下の少し発展的な方法を試してみてください。
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Recallデータの削除とリセット:
一度保存されたスナップショットのデータに問題がある可能性も考えられます。「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「Recallとスナップショット」の画面から、特定期間のスナップショットを削除したり、すべてのデータをリセットしたりすることができます。 リセットすると、再度初期設定から始めることになります。 -
PCの再起動:
一時的なシステムの不具合であれば、パソコンを再起動するだけで問題が解決することがあります。まだ試していない場合は、一度シャットダウンではなく「再起動」を選択してください。 -
Microsoftの公式サポート情報を確認する:
Microsoftの公式サイトには、Recallに関する最新のトラブルシューティング情報が掲載されている場合があります。一度確認してみることをお勧めします。
まとめ
Recallのスナップショットが表示されない問題について、原因と対策を解説しました。最後に、要点を3つにまとめます。
- Recallは、NPUを搭載した「Copilot+ PC」でのみ利用可能な特別な機能です。
- 機能を利用するには、「設定」から「Recallとスナップショット」を手動で有効にする必要があります。
- スナップショットの保存には十分なストレージ空き容量が必要で、OSを常に最新の状態に保つことが大切です。
この記事が、あなたの問題解決の助けとなれば幸いです。
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