Windows 11の新機能「自動スーパー解像度(Auto SR)」を使おうとしたら、設定画面に項目自体が見つからなくて困っていませんか? AIがゲームなどをより快適にしてくれる便利な機能なだけに、使えないとがっかりしてしまいますよね。
ご安心ください、この記事を読めば、設定が表示されない原因と具体的な解決策が分かります。主な原因は、お使いのパソコンが対応していないか、Windowsのバージョンが古い可能性が高いです。
さっそく、一つずつ原因を確認して、問題を解決していきましょう。
原因1:お使いのパソコンが「Copilot+ PC」ではない
最も可能性の高い原因は、お使いのパソコンが「自動スーパー解像度」機能の要件を満たしていないことです。この機能は、2024年6月以降に登場した「Copilot+ PC」と呼ばれる新しいカテゴリーのパソコンで利用できる特別な機能です。
原因の解説
自動スーパー解像度は、AIの計算を専門に行う「NPU (ニューラル・プロセッシング・ユニット)」という頭脳を搭載した最新のプロセッサー(CPU)の性能を前提としています。 そのため、現時点では主に「Snapdragon® X シリーズ」というプロセッサーを搭載したCopilot+ PCでのみサポートされています。
具体的な解決手順
お使いのパソコンがCopilot+ PCかどうかは、以下の手順で確認できます。
- スタートボタンを右クリックし、「システム」を選択します。
- 「デバイスの仕様」という項目の中にある「プロセッサ」の情報を確認します。
- ここに「Snapdragon X Elite」や「Snapdragon X Plus」といった記載があれば対応しています。それ以外のプロセッサー名の場合は、残念ながらお使いのパソコンではこの機能を利用できません。
原因2:Windows 11のバージョンが古い
お使いのパソコンがCopilot+ PCであっても、Windows 11のバージョンが古いと設定は表示されません。
原因の解説
自動スーパー解像度は、2024年後半に提供が開始された「Windows 11 バージョン 24H2」以降で利用可能になる機能です。 これより前のバージョンをお使いの場合は、OS自体に機能が搭載されていないため、設定項目も表示されません。
具体的な解決手順
Windowsのバージョンは以下の手順で確認・更新できます。
- スタートボタンを押し、「設定」を開きます。
- 「システム」を選択し、一番下にある「バージョン情報」をクリックします。
- 「Windows の仕様」の中にある「バージョン」を確認し、「24H2」以降になっているか確認します。
- バージョンが古い場合は、「設定」の「Windows Update」を開き、「更新プログラムのチェック」ボタンを押して、最新のバージョンにアップデートしてください。
原因3:グラフィックドライバーが最新ではない
自動スーパー解像度は、AI処理やグラフィック表示と密接に関係しているため、グラフィックドライバーが最新の状態でないと正常に動作しない場合があります。
原因の解説
ドライバーとは、パソコンの部品(ハードウェア)をOS(Windows)が正しく動かすための「説明書」のようなものです。この説明書が古いと、新機能がうまく使えないことがあります。Microsoftは、最新のグラフィックスおよびニューラルプロセッサドライバーが必要であるとしています。
具体的な解決手順
ドライバーは通常、Windows Updateを通じて自動で更新されますが、手動で確認することも重要です。
- 「設定」を開き、「Windows Update」を選択します。
- 「詳細オプション」をクリックし、「オプションの更新プログラム」を確認します。
- ここにドライバーの更新が表示されている場合は、インストールしてください。
原因4:ディスプレイの解像度が低い
意外な落とし穴ですが、パソコンに接続しているモニターの表示解像度が低い場合も、自動スーパー解像度の設定が表示されない原因となります。
原因の解説
この機能は、ゲームなどの表示をAIで高画質化することを目的としています。そのため、一定以上の解像度で表示していることが利用の前提となっており、1080p(1920 x 1080ピクセル)以上の解像度が必要です。
具体的な解決手順
ディスプレイの解像度を確認・変更する方法は以下の通りです。
- デスクトップの何もないところを右クリックし、「ディスプレイ設定」を選択します。
- 「拡大/縮小とレイアウト」の項目にある「ディスプレイの解像度」を確認します。
- 解像度が「1920 x 1080」より低い場合は、それ以上の推奨値に変更してください。
それでも解決しない場合
上記の基本的な対策をすべて試しても設定が表示されない場合は、以下の点を確認してみてください。
- 「自動スーパー解像度パッケージ」を更新する: この機能は、Microsoft Storeを通じて提供される専用のパッケージで動作しています。Microsoft Storeアプリを開き、ライブラリからアプリの更新を確認してみてください。
- ゲームごとの設定を確認する: 自動スーパー解像度は、パソコン全体の設定とは別に、ゲームごとにオン・オフを切り替えることができます。特定のゲームで機能させたい場合は、個別の設定が優先されるため、そちらを確認してみましょう。
- 「設定」>「システム」>「ディスプレイ」>「グラフィック」と進みます。
- 設定を変更したいアプリ(ゲーム)を選び、「オプション」をクリックします。
- 「自動スーパー解像度」の項目があれば、ここで「オン」に設定できます。
まとめ
最後に、この記事の要点を3つにまとめます。
- 対応PCを確認: 自動スーパー解像度は、NPUを搭載した最新の「Copilot+ PC」向けの機能です。
- OSバージョンは24H2以降に: Windows 11は最新の「バージョン24H2」にアップデートしておく必要があります。
- 基本的な設定を見直す: ドライバーの更新や、ディスプレイ解像度が1080p以上であることも確認しましょう。
お使いのパソコンが要件を満たしているか、設定は正しいか、一つひとつ落ち着いて確認してみてください。この記事が、あなたの問題解決の助けとなれば幸いです。
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