Windows 11の新機能「Recall(リコール)」で、過去の作業履歴を示すスナップショットが表示されずにお困りではありませんか?せっかくの便利な機能が使えないと、がっかりしてしまいますよね。
この記事では、Recallのスナップショットが表示されない時に考えられる原因と、初心者の方でも簡単に試せる解決策を分かりやすく解説します。主な原因は、Recall機能の基本的な設定ミスか、お使いのパソコンのシステム要件の可能性が高いです。
原因1:Recall機能自体が有効になっていない
最も基本的な原因として、Recall機能が意図せず無効になっている可能性があります。Recallは初期設定ではオフになっているため、ご自身で有効にする必要があります。
原因の解説
Recallは、ユーザーが明示的に使用を許可しない限り、自動で画面の記録を開始しません。 そのため、設定がオフのままでは、スナップショットは一枚も保存されません。
具体的な解決手順
- 設定画面を開く: スタートメニューから「設定」アプリを開きます。
- プライバシーとセキュリティへ移動: 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択し、次に「Recall とスナップショット」をクリックします。
- 機能を有効にする: 「スナップショットの保存」という項目のスイッチが「オフ」になっていたら、「オン」に切り替えてください。 この操作を行うと、Recallがスナップショットの保存を開始します。
原因2:PCがシステム要件を満たしていない
Recallは、AI処理を高速に行うための特別なハードウェア(NPU)を搭載した「Copilot+ PC」と呼ばれる新しい規格のパソコンでのみ動作する機能です。
原因の解説
Recallは、画面の内容をリアルタイムで解析・保存するために高い処理能力を必要とします。そのため、一定の性能基準を満たしたパソコンでないと、この機能を利用することができません。
具体的なシステム要件
- プロセッサ: 40TOPS以上の性能を持つNPUを搭載したCPU/SoC
- メモリ: 16GB以上
- ストレージ: 256GB以上のストレージ容量(うち50GB以上の空き容量が必須)
お使いのパソコンがこれらの要件を満たしているか、メーカーの仕様表などで確認してみてください。
原因3:ストレージの空き容量が不足している
Recallはスナップショットをパソコン本体のストレージに保存するため、十分な空き容量がないと新しいスナップショットを保存できなくなります。
原因の解説
Recallを有効にするには最低でも50GBの空き容量が必要で、有効になった後もスナップショットを保存し続けるために一定の容量を消費します。 空き容量がなくなると、古いスナップショットから自動的に削除されるか、新しいスナップショットの保存が停止してしまいます。
具体的な解決手順
- 空き容量の確認: 「設定」→「システム」→「ストレージ」で、Cドライブの空き容量を確認します。
- Recallのストレージ設定: 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Recall とスナップショット」を開き、「ストレージ」の項目を確認します。
- 割り当て容量の調整: ここでRecallが使用できる最大ストレージ容量を設定できます。 パソコンの全ストレージ容量によって選択できる値は異なりますが、256GBモデルの場合は25GB、1TB以上のモデルでは最大150GBまで割り当てが可能です。
- 不要なファイルの削除: 空き容量が少ない場合は、「ストレージ」の設定画面から「クリーンアップ対象候補」などを利用して不要なファイルを削除し、容量を確保してください。
原因4:プライバシー設定でアプリやWebサイトが除外されている
プライバシー保護のため、特定のアプリケーションやWebサイトをRecallの記録対象から除外する設定ができます。意図せずこの設定を行っていると、そのアプリやサイトのスナップショットは表示されません。
原因の解説
Recallには、パスワードやクレジットカード番号のような機密情報を含む可能性のある画面を自動で記録しないフィルター機能や、ユーザーが手動で特定のアプリやWebサイトを記録対象外にする機能があります。
具体的な解決手順
- 設定画面を開く: 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Recall とスナップショット」に進みます。
- フィルター設定の確認: 「アプリと Web サイトをフィルターする」といった項目を確認します。
- 除外リストの編集: 除外リストにスナップショットを記録したいアプリやサイトが含まれていないか確認し、もしあればリストから削除してください。
それでも解決しない場合に試すこと
上記の基本的な対策で問題が解決しない場合は、以下の方法を試してみてください。
- Windows Updateを実行する: お使いのWindows 11が最新の状態でないと、新機能が正常に動作しないことがあります。「設定」→「Windows Update」から、利用可能な更新プログラムをすべてインストールしてください。
- Windows Helloを再設定する: Recallはセキュリティのため、Windows Hello(顔認証や指紋認証など)による本人確認を要求します。 一度Windows Helloの設定を削除し、再設定することで問題が解決する場合があります。
- トラブルシューティングツールを実行する: Windowsには、システムの問題を自動で検出・修正する機能があります。「設定」→「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティング ツール」と進み、「Windows Update」などを実行してみてください。
まとめ
Recallのスナップショットが表示されない問題について、解決のヒントは見つかりましたでしょうか。最後に、この記事の要点を3つにまとめます。
- Recall機能の有効化: まずは「設定」からRecall機能がオンになっているかを確認しましょう。
- システム要件と空き容量: お使いのPCがCopilot+ PCの要件を満たしているか、そしてストレージに十分な空き容量があるかを確認してください。
- プライバシー設定の見直し: 特定のアプリやWebサイトを記録から除外していないか、設定を確認してみましょう。
この記事が、あなたの問題解決の一助となれば幸いです。
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