【Windows 11】Windows Helloの顔認証が表示されない?原因と解決策を徹底解説

Windows 11の便利な機能の一つ、Windows Helloの顔認証。パスワードを入力する手間なく、PCの前に座るだけですぐにサインインできるのは非常に快適です。しかし、いざ設定しようとすると「顔認証」のオプション自体が表示されず、困っていませんか?

ご安心ください。この記事では、Windows 11でWindows Helloの顔認証オプションが表示されない問題について、初心者の方にも分かりやすく原因と解決策を解説します。主な原因は、カメラのドライバーに問題があるか、Windowsのサービス設定が正しくない可能性が高いです。

一つずつ確認していけば、きっと解決できるはずです。

原因1:カメラのドライバーが古い・破損している

Windows Helloの顔認証には、通常のWebカメラではなく、赤外線(IR)カメラという特殊なカメラが必要です。 このカメラを動かすためのソフトウェア(ドライバー)が古かったり、何らかの原因で破損していたりすると、Windowsがカメラを正しく認識できず、顔認証のオプションが表示されなくなります。

原因の解説
ドライバーは、パソコンの部品(ハードウェア)とOS(Windows)を繋ぐ通訳のような役割をしています。この通訳がうまく機能しないと、OSはカメラが存在することに気づけず、顔認証機能も提供できないのです。

具体的な解決手順
「デバイスマネージャー」を使って、ドライバーの状態を確認し、再インストールしてみましょう。

  1. スタートボタンを右クリックし、表示されたメニューから「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. デバイスマネージャーが開いたら、「カメラ」または「生体認証デバイス」の項目を探して、左側の矢印をクリックして展開します。
  3. Front Camera」や「Front IR Camera」といったカメラのデバイス名が表示されます。
  4. 該当のデバイス名を右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択します。
  5. 確認画面が表示されたら、「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」のチェックは付けずに、「アンインストール」をクリックします。
  6. アンインストールが完了したら、パソコンを再起動します。

再起動後、Windowsが自動的に適切なドライバーをインストールし直してくれます。その後、再度サインインオプションの設定画面を確認してみてください。

原因2:「Windows Biometric Service」が停止している

Windows Helloのような生体認証機能は、「Windows Biometric Service」という裏方のプログラムによって管理されています。このサービスが停止していると、顔認証や指紋認証などの機能が一切利用できなくなり、設定オプションも表示されません。

原因の解説
このサービスは、生体認証センサーからの情報を安全に処理し、サインインを許可するための重要な役割を担っています。何らかの理由でこのサービスが無効になっていると、システム全体で生体認証が利用できなくなります。

具体的な解決手順
「サービス」管理ツールから、状態を確認し、サービスを開始しましょう。

  1. スタートボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 名前に「services.msc」と入力し、「OK」をクリックします。
  3. サービスの一覧が表示されたら、「Windows Biometric Service」を探してダブルクリックします。
  4. 「全般」タブにある「スタートアップの種類」が「自動」になっていることを確認します。「無効」になっていれば「自動」に変更してください。
  5. サービスの状態」が「停止」になっていたら、「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動します。
  6. 最後に「適用」をクリックし、「OK」でウィンドウを閉じます。

設定後、パソコンを再起動して、顔認証のオプションが表示されるか確認してください。

原因3:グループポリシーで生体認証が許可されていない

特に会社や学校から支給されたパソコンの場合、管理者によってセキュリティポリシー(グループポリシー)が設定され、生体認証の使用が制限されていることがあります。

原因の解説
グループポリシーは、Windowsの様々な機能を一元管理するための仕組みです。セキュリティを強固にするために、管理者が意図的に生体認証を無効に設定している場合、個人の設定では有効にすることができません。

具体的な解決手順
「ローカルグループポリシーエディター」で設定を確認します。(Windows 11 Homeエディションではこの機能は利用できません)

  1. スタートボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 名前に「gpedit.msc」と入力し、「OK」をクリックします。
  3. 左側のペインで、[コンピューターの構成] → [管理用テンプレート] → [Windows コンポーネント] → [生体認証] の順にクリックして進みます。
  4. 右側に表示される設定項目の中から、「生体認証の使用を許可する」をダブルクリックします。
  5. 設定画面で「有効」にチェックが入っていることを確認します。「未構成」または「無効」になっている場合は、「有効」を選択して「適用」→「OK」をクリックします。
  6. 同様に、「ユーザーによる生体認証を使用したログオンを許可する」も「有効」になっているか確認、変更してください。

設定変更後は、パソコンの再起動が必要です。

それでも解決しない場合に試すこと

上記の基本的な対策で解決しない場合は、以下の方法を試してみてください。

  • Windows Updateを実行する: OS自体に問題がある可能性も考えられます。設定画面の「Windows Update」から、システムを最新の状態に更新してみてください。 これにより、関連するドライバーやシステムの不具合が修正されることがあります。
  • 顔認証データをリセットする: 過去に設定した顔のデータが破損している可能性も考えられます。一度サインインオプションから顔認証データを削除し、再登録してみましょう。
  • PCメーカーのサポート情報を確認する: お使いのパソコンメーカーの公式サイトで、機種固有の情報や最新のドライバーが公開されていないか確認してみてください。 ファームウェアのアップデートで改善されるケースもあります。

まとめ

Windows 11で顔認証のオプションが表示されない問題について、解説してきました。最後に、この記事の要点を3つにまとめます。

  • まず、デバイスマネージャーでカメラのドライバーを再インストールしてみる。
  • 次に、「Windows Biometric Service」が停止していないか確認し、実行中にする。
  • 会社や学校のPCの場合は、グループポリシーで生体認証が制限されていないか確認する。

多くの場合、これらの手順で問題は解決するはずです。この記事が、あなたのPCで再び快適な顔認証を使えるようになる一助となれば幸いです。

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